眼の病気の中には視力だけでなく、物の見える範囲(視野)が変わる場合があります。
そのような病気を見逃さないためにも、視野を測定する必要があります。

視野とはどこか1点を見つめていて見える範囲(視力の及ぶ範囲)です。動的量的視野計では見える範囲と見える光の感度を測定できます。
最近では他の測定法もあるため、当院のように色々な測定方法の検査機器を複数運用しているクリニックは珍しいかもしれません。

測定方法

片眼で中心を見つめた状態で、外側がどの範囲まで見えるかを測定していきます。

具体的には、外側から移動してくる光の点が、どのあたりで見えたかで視野を測定します。
この光の点は、強い光であれば、視野のかなり外側でも見ることができます。
しかし、弱い光では視野の中心に近づかないと見ることができません。
そのため、同じ強度の光が見えた点を結ぶと、強い光の時は大きな円を、弱い光の時は小さな円になります。
このように線を結ぶと、等高線のような測定結果がえられます。(等感度線、イソプター)


正常な方の測定結果では等感度線(視野)は楕円形になります。
正常な方でも内部に見えない盲点がありますが、これは問題ありません。(マリオット盲点)

この検査で発見できる病気

緑内障
視野がかけたり、ひどくなると失明の原因になる病気です。視野の外側の一部が欠けたり、見える範囲が狭まったりします。
網膜色素変性症
眼の内側にある網膜に異常をきたす遺伝性の病気です。初期には暗いところで見えづらくなる夜盲が多いです。進行性で、徐々に視野が外側から狭まってきます。
脳の障害
同名半盲などでは、脳に障害がおこる結果、視野の左右半分が見えなくなることがあります。
加齢黄斑変性
眼の網膜にある黄斑と呼ばれる部分が障害を受けることで、視野がかけたり、失明の原因になることもあります。視野の中に見えない部分(中心暗点)が出来ることがあります。