OCT検査の特徴とメリット

緑内障の発見のために必要な方法として代表的なものは眼底検査で、これは薬剤で瞳孔を開いて暗所で目の状態を撮影するといったものです。

ですが、高齢になると瞳孔の反応が鈍くなり眼底検査が困難になるケースがあります。

それにより、緑内障などの正確な判断が難しくなってしまいます。

緑内障はそのままにしておくと、視野が狭くなったり最悪失明にもつながるため、早期発見・早期治療がとても重要な眼の病気です。(緑内障について詳しく見る

その際に利用されるのがOCT(optical coherence tomography)検査で、近赤外線を利用して組織の断面図を撮影するという方法があります。

薬剤を使用することもなく、暗所にて行う必要もなくなるので高齢の方でも網膜の状態などを観察することが可能になります。

もちろん高齢の方でなくても使用することができ、OCTにより今までの眼底検査では発見できなかった初期の緑内障を発見することが可能になりました。

眼圧に関係しない緑内障が多くなっている点でも注目されている方法です

よく「緑内障」と聞くと、眼圧を測定する、というイメージの人も多いのではないでしょうか。

もちろん、眼圧が22mmHg以上の方は緑内障の可能性を疑いますが、緑内障の患者様が全員眼圧が高いわけではありません。

中には眼圧が高くなくても緑内障が起こるケースがあり、最近では増えてきました(「正常眼圧緑内障」といいます)

そのため、眼底検査だけでなくOCTによって検査を行うことが非常に重要と言えます。

その他OCTで発見できる眼の病気

先程は緑内障を例にあげましたが、それ以外に色々な病気の発見が可能で、以下のような病気の診断が可能になりました。

  • 加齢黄斑変性症
  • 網膜中心静脈閉塞症
  • 網膜静脈分岐閉塞症
  • 中心性漿液性網脈絡膜症
  • 糖尿病網膜症
  • 黄斑前膜
  • 黄斑円孔
  • 新生血管黄斑症

色々難しい用語が並んでいますが、特に糖尿病の三代合併症の一つの網膜症の早期発見が可能になった点は非常に大きく、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の方にとっても有用な検査と言えます。

OCT検査の注意点

ここまで紹介した通り、薬剤で瞳孔を開かず病気の早期発見も可能なOCTですが、完璧というわけではありません。

視神経や網膜の状態は個人差があるので、OCTの検査結果だけでは病気の診断はできません。

OCTで早期発見が可能な緑内障でも、精密検査の結果、緑内障ではなかったというケースもあります。

ここからOCT検査は決して完璧な方法ではなく、診断基準の一項目の一つとなりうるものです。

ただ、高齢者の方にも使用でき、薬剤も使わず暗所でなくてもできる点は大きなメリットですし、早期発見が可能という点も非常に大きいです。

当院ではOCTにて眼の病気の早期発見に努めています

当院ではOCTを行うことで少しでも早い発見・治療を心がけています。

そして、発見された後はより精密な検査を行うことで正確な診断を行います。

例えば緑内障はあまりこれといった症状は少なく、知らないうちに進行していたなんてこともありえる病気です。

風邪などのように症状が出てから受診、ではなく早期発見が非常に重要であり、そのためにも定期的な健康診断が強くお勧めします。

OCT検査機器の詳細について

なお、OCT検査のさらなる詳細な情報については、TOPCON社の「3次元眼底像撮影装置 3D OCT-1(Type:Maestro2)」のページをご参照ください。

※ 当院の機種はご紹介した装置と性能に変わりありません。